2/16/2012

すてきなホイットニー


80年代に10代から20代だった人は多くがそうだったと思うけれど、ボクにとっても、ホイットニー・ヒューストンは間違いなく華やかなポップスターの象徴だった。光の粒子がぱんっと弾け飛んだみたいな、きらきらと輝く眩い歌声は、けっして華やかとはいえない毎日に鮮やかな色を添えてくれた。

ホイットニー作品の中で好きだった1曲「すてきなSomebody」(素敵な邦題です)をあらためて聴いてみて、意外にも内向きの歌だったことに少し驚いた。歌の主人公は、一日の仕事を終えたばかりの(たぶん)独り身の女性。時間はたっぷりあるのに、会うひとはいない。明るいうちはひとりでも寂しくなかったけれど、陽がかげりだしたとたんに、心もかげってきた。この憂鬱をどうやって追い払ったらいいんだろう・・・・・・。

80’sらしいきらびやかなサウンドとは裏腹な、ちょっとブルーな心情を描いている。ホイットニーも出だしはちょっと哀しげ。でもいったん勢いがついたら、もう止まらない。ラストまで思いきりパワフルに、瑞々しく溌溂と歌っている。
そこが鍵なんだと思う。彼女のとっても前向きな歌声に背中を押してもらって重い腰を上げられた人、一瞬でもいろんな憂鬱を追い払えた人がたくさんいたはずだし、これからもいるだろうから。

R.I.P. ホイットニー・ヒューストンさん








No.7 aoi

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