1/23/2012

名盤レコードに素敵な邦題を!

今や一家に一冊も当たり前な『日本盤オールディズ・シングル図鑑 1954~1964』。当サイトでも過去に2度、この本が如何に素晴らしいかを伝えてきました(素敵な邦題レコードに駄盤なし! 続・素敵な邦題レコードに駄盤なし!)。
さんざん楽しんだ後で、自分でもナイスな邦題をつけてみた~い、なんて衝動にかられていませんか?かられていますよね。
そこで、2012年も始まって早・半月が過ぎましたが、今年最初のブルース婦人部より皆様へのお題です。

以下の曲に素敵な邦題をつけよ!
(仮に、日本でシングルカットされる事になったとして、です。)

1 I'm Your Puppet  
2 You and Me  /  Solomon Burke
3 Dirty Man  / Laura Lee
4 Tonight Is The Night  /  Betty Wright
5 Turn Back The Hands Of Time  /  Tyrone Davis


I'm Your Puppet
まずはDan Penn& Spooner Oldhamの名曲中の名曲。Sam & DaveもElton Johnも、日本ではゴールデン・カップスも歌ってますね。
代表的なJames & Bobby Purifyでこちら

歌詞はこちら I'm Your Puppet Lyricks



「恋のあやつり人形」として既に日本語タイトルでも知られた曲ですが、そこを!あえて!納得の邦題をお願いします。



You and Me  /  Solomon Burke
音源も映像も見つからず、曲のカンジはご想像頂くしかないのですが…(検索するとぼちぼち試聴もできます)。プロデュースはスティーブ・ジョーダン、エリック・クラプトン参加で話題になった2008年作『Like a Fire』に入っている曲です。




Dirty Man  / Laura Lee
60年代の歌姫、ローラ・リー。Dirty大連呼ですが、それだけの事をした男なんですね。仕方ないでしょう。





歌詞はこちら Dirty Man  / Laura Lee Lyricks




Tonight Is The Night  /  Betty Wright
新譜も出たし、2月にはやってくるし、という事で祝・来日のBetty Wright。今ではド貫禄の彼女も、こんなにウブな乙女心を歌ってたのね~。いや、ウブなふりして、やる気まんまんか。ベティったら。


歌詞はこちら Tonight Is The Night  /  Betty Wright Lyricks
セリフ分もあるので、長い!


Turn Back The Hands Of Time  /  Tyrone Davis
Tyrone代表曲の一つ。レコードジャケットでは全身緑。
でもってYoutubeの映像では全身黄色。

べたべたのラヴソング。シカゴのおばちゃんがキャーキャー言うわけだ。



さて、いかがでしょう?素敵な邦題が浮かんできましたか?
皆様からの投稿はブルース婦人部と翻訳家・新井崇嗣さんで協議の上、ナイス邦題を勝手に決めたいと思います。どうぞふるって御参加を!

1/17/2012

なつかしい芸人たち


一般的にはたいていの人、とりわけ女性には「若い>年寄り」という認識がなされているのだと思うけれど、しかしそこはそれ、ブルースやらソウルやらロックやら、はたまた映画やら演芸やらを愛好する私たちはその逆で「年をとっている」ことに少々優越感を持ったりすることがままある。(え、そんなことないですか?)

なんといっても昔のことを知っていることはエライという価値観の世界だ。
おませな好事家のみなさまは“若い”ということを、あからさまではないにしても、ちょっと馬鹿にされたという経験をお持ちではないだろうか。(誰々の初来日見てないの?とかね)
そんな経験を何度かするうちに気がつけば「年が若いコンプレックス」を抱いて青春時代を送っていた、なんてことになるのだ。

そんな歪んだ(?)コンプレックスと大いなる憧れを持って読みたい本がこれ。

「決定版 私説コメディアン史」澤田隆治




















澤田隆治は「てなもんや三度笠」「スチャラカ社員」「花王名人劇場」などのヒットを生んだ名プロデューサー。昭和のお笑い史そのもののような人だ。
エンタツ・アチャコ、藤田まこと、やすし・きよし・・人気者を内側から見せてくれてわくわくする。


そしてさらに超ディープな世界に誘ってくれるのがこれ。

「なつかしい芸人達」色川武大





















立川談志が兄(アニ)さんと呼んで慕い「兄さんには芸人とおンなじ哀しさを感じる」と言った色川武大の芸人話。
といっても話はコメディアン、映画俳優、歌手、野球選手から相撲取りにまで及ぶ。

データ的なものはあまり重要視されておらず、自分の少年期を振り返りながら時に感情移入しながら、溢れるような固有名詞、連鎖する記憶、芸人への深い愛情を徒然語っている。
読んでいると色川武大になつかしい(というにはあまりにマイナー、怪しい!)お話を聞かせてもらっているような気分になれる。

それにしてもこの全編を覆ういかがわしさ、哀しさはどうだ。戦前戦中の芸人達。「河原乞食」という言葉が浮かぶ。



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先ごろ立川談志が亡くなった折、その追悼記事に演芸評論家のお歴々は揃って「こゑん時代(二つ目)は凄かった」とお書きになっておられた。
あぁやっぱり、こゑん時代。とんでもない天才ぶりだったらしいからなぁ。見てみたかったです、そりゃあ。(生まれてないけど)

私は既に「若い」と軽んじられる年齢は過ぎているし、談志の50代半ば以降はいわゆる追っかけ、高座は鼻血が出るほど聴いた。それを密かな自慢としていたが、それも急に色褪せて見える今日この頃。

ああ、マニアの世界には限りがない。
早く70歳になりたい。


今週の当番No.3 bunyayurisses