7/10/2012

おそばに


みんな、Englishしゃべってる? ということで急きょ始まりましたソウル~ブルースで学ぶワンポイント英文法教室。講師のaoiです。
栄えある第1回のお題は、先ごろ初来日を果たしセミオールド、オールド&ベリーオールドな黒人音楽ファンを感涙に暮れさせたキャンディ・ステイトン様の出世作「STAND BY YOUR MAN」。前置詞「by/そばに」の使い方をイメージで覚えてマスターしちゃいましょう。
 タミー・ワイネットのカントリー大ヒットをソウル曲に作り替えた制作陣の手腕もさすがですが、なんといっても「彼氏・旦那さんのそばにいつでも寄り添いなさい、止まり木になってあげるのよ」と婦女子に温かく語りかけるキャンディの歌が抜群です。で、先日トーキョーでコーラス男子(超男前&肉体派)に歌わせていた大定番「STAND BY ME」は「空が落っこちてきても、山が崩れちゃっても、ぼく泣かないよ。君がそばにいてくれば全然オッケー」という男子からのコットンキャンディsweetなラヴコール。どっちもほんわかムードな夏休みの推薦図書的優良歌なのだけれど、下敷きはLifeの艱難辛苦を嘆きに嘆いたゴスペル曲「STAND BY ME」で、「神様、どうか私のそばにいてください」と天に向かって切に訴えかける。
swear by God」は、神様のすぐおそばに立っても言えるくらいやましいところはないという意味から「神にかけて誓う」。「by the way」は「話の筋道から少し脇にずれて」という感じだから「ところで」。物理的な距離を表す語だから、たとえば「机の脇」ならby the desk、「窓のそば」ならby the windowNearも「近い」けれどbyのほうがさらに近くて、たとえばnear the riverは川から歩いて10分でも言えるけれど、by the riverならば目と鼻の先の距離。
どうです? by=すぐ横・脇にいる/あるのイメージ、できました? では仕上げに、この曲「Down by the Riverside」をリピート・アフター・ハー!


By the way、わがジャパン歌謡界で男子からの「そばにいてくれ」曲といえば、フランクさんの「おまえに」ですが、from 女子to女子の「そばにいてあげなさい」曲は見つからず、出てきたのは「おそばにおいて」ものばかり。代表的なところでは、あまりのどMな女像がご本人も気にくわなかったらしいチヨさん版「I’M JUST A PRISONER (OF YOUR GOOD LOVIN’)」=「恋の奴隷」や、丸顔にやや舌足らずの歌声が中間管理職的ナイスミドル男子心をくすぐったに違いないテレサの「時の流れに身を任せ」、さらには岩崎姉によるあたし背伸びしちゃった歌「そばに置いて」なんていう文字どおりなタイトルまである。

どれも「邪魔はしないから」・・・・・・このいじらしさ、キャンディのフェイム録音に通じるものがあると思うのだけれど、欧米レディースにはいまいちぴんと来ないのかしら。「いじらしい」に相当する英単語もないしねえ。
No. 7 aoi

7/07/2012

似てる?! その8 - 大物登場(か?)


どうも芸人に走りがちだったこの「似てる」。
ここらで本来のミュージシャンシリーズに戻りましょう。


先ずは、R&Bシンガー&ピアニスト、アイボリー・ジョー・ハンター
日本が誇る古賀メロディ、古賀政男。

いかがでしょう、両者ともこの風格。




















ミュージシャン同士でと言った先からもう芸人が出てきてしまいました。

もはや芸人同士と言ってもいいようなこのふたり。
Mr.ジャイブ、スリム・ゲイラードと指ぱっちんのポール牧。























さて、次はファンク・ジャズ・オルガンのDr. ロニー・スミス
元メジャー・リーガーで現楽天ゴールデンイーグルスの松井稼頭央
(もはや野球選手まで・・・)

と、長年温めていたネタであるこのロニー&稼頭央コンビに、新たなる参入者が出現したのです。
驚きました。

それは、先日のキャンディ・ステイトンのライブでもバッキング・ヴォーカルで参加していたイギリス人シンガーXavier Barnett(なんて読むのかな?ザヴィエ?バーネット)さんです。

ということで、トリオになったこのお三人。

あぁ、もうそっくりです。





いかなる時も「似てる」を求める気持ちを忘れないことが大事だと改めて感じるきょうこの頃です。

ではまた「似てる」でお会いしましょう。


*「似てる」大募集!
あなたの心の中にある「似てる」を教えて下さい。ジャンル問わず。


No.3 bunyayurisses (「似てる」担当)



7/02/2012

第二回 素敵な邦題、決定です!


第二回目を迎えた「素敵な邦題」は好評のままエントリーを締め切らせていただきました。
応募いただいた皆さま、本当にありがとうございました!

今回の応募作品も、いずれ劣らぬ名作ばかり。
さすが皆さん、わかってらっしゃる!

今回の優秀作品の選考会は、キャンディ・ステイトンの奇跡の来日公演直前、会場近くの婦人部某集会所にて、前回同様、婦人部員による投票と選考委員長の翻訳家・新井崇嗣さんに加え、今回は婦人部の名誉顧問でもある、ソウル評論界の大御所M先輩も参加のうえ、盛大に行われました。

1 Rock Steady / Aretha Franklin  『ロックに首ったけ』

感じてファンキーダンス 1
  感じてベイビー
   ロックに首ったけ 2
   ゆすってよベイビー
   ステディな二人
   げんこつロック 2
   お相手ロック
   ヒラヒラ娘
   アレサでイケイケ 2
   アレサで一発!

M先輩(以下、M 『うーん、いきなり難しいなぁ。』
新井(以下、新) 『意味的にはアレサでイケイケがいいと思いますが、原題のロックを上手く活かしつつ音の響きもいいこれにしましょう。』
ブルース婦人部(以下、婦) 『“アレサで一発!”って…』


2 You Don't Miss Your Water / William Bell 『涙の枯れ井戸』

悔い改めて 1
   遠いメモリー
   お水にご用心
   涙の枯れ井戸 5
   悔やんでも知らないぜ
   乾燥人間のバラード
   恋の水分補給
   マジだったんだぜ
   泣き濡れてびしょびしょ
   失って・恋しくて
   水に流して

 『これは票が集まりましたね。正確には「涸れ」だと思いますが、「枯れ」の方が曲に合っています。』
 『枯れ井戸=カレイド(万華鏡)というメタファーも織り交ぜつつ、曲の深みや侘びといったものも入っています。』
M 『昭和歌謡的な香りがいいですね。』
 『文句無しに“枯れ井戸”で決定です。
 『ところで乾燥人間って何ですかね…』


3 Things That I Used To Do / Guitar Slim  『スリムで行こう!』

ごめんよ、ベイビー 
スリムで行こう! 3
もうごめんサ
秘め事は命取り
一筋縄
やめた☆やめた 1
ペンペン悲恋歌
僕は悪い子ちゃん 1
ナメるなベイベー 1

 『これは曲のイメージを完全無視した“スリムで行こう!”が人気ですね。』
 『営業的にも、刷り上がったジャケットをイメージしても、これが一番いいと思います。』
 『個人的には原曲の自暴自棄さと愛しさが入った“やめた☆やめた”も捨てがたいです。』


4 Bring It On Home To Me / Sam Cooke 『涙の執着ホーム』

戻ってチョイナ 2
ずっと一緒にいたかったのに
スレイブがグレイブで
連れてこようぜ
心変わりをとめて 1
一緒にグレイブ
何でもあげる、僕を捨てないで 1
涙の執着ホーム 2
ドンと恋節
どうしても行くのかい
OH!ドレイ

 『“奴隷”と“墓”に関連するものが多いです。店舗での発売は難しそうですね。』
 『そんななかで、“涙の執着ホーム”は実にいいタイトルです。』
 『 “終着”を“執着”に変えたところにこの作品の素晴らしさがあります。「戻ってきてくれ!」という情念も強く表現されていますし、原題の“ホーム”もキチンと活かしているところがいいですね。
 『OH!ドレイ・・・』


5 I Want To Be Your Man / Roger  『ボクでいいよね。』

おまえのいい人
彼氏と呼んで☆
お願いします。
ボクでいいよね。
彼氏総選挙
最後はおれで
恋する男の物語
アワナイカナ?bokutachi

 『これは見事に票が割れました。』
 『キャラクターと曲のイメージが強すぎて、なんとなく応募作のトーンが似たように思います。』
 『どれも甲乙つけがたいですが、邦題としては「ボク」と「。」が原曲の甘さを活かしてていいんじゃないででょうか。』


 『では先生、最後に総評と今回のベスト邦題をお願いします』
 『今回はいわゆる超・名曲が多くて、逆に難しかったのではないかと思います。そんななかでも、曲のイメージやアーティストを活かした好作が並んでいて、純粋に凄いなぁと思いました。そんな中でベスト邦題を選ぶのは難しいですが、今回は審査員票を最も集めた“涙の枯れ井戸”にしたいと思います!』

婦 では、今回のベスト邦題は涙の枯れ井戸に決定です!』
 『次回も企画いたしますので、みなさん奮って参加してくださいね。曲のリクエストも受付ます!』
M 素晴らしい!何リクエストしようかな!あ、次回も呼んでください。』

 『ではあらためて、ウィリアム・ベルの名唱をお聞きください。涙の枯れ井戸
 『乾燥人間になるまで泣いちゃって。』