6/29/2012

勝手にライバル


実は私、チャック・ブラウンが大好きだったんです。

ワンパターンを超えて様式美の域に辿りついた魔法のサウンドGo-Go

これからの季節には最高です!

こんな感じですね。





スタンダードナンバーも貪欲に調理します。おススメはこれ。

 

1分半も焦らされた末にいつもの反復ビートになだれ込む、その瞬間がたまりません!



ドナルド・ダック・ダンの急逝に隠れ、大きな話題にならなかったけど、この愛しき不良爺さんも今年の5月、天に召されてしまいました。悲しすぎです。

享年75歳。1936年の生まれ。

1936年。歴史で習う226事件や、愛のコリーダの元になった阿部定事件が起こった年。結構な歴史ですね。

そしてこの年生まれの著名人はなかなかの曲者揃いなんです。

ミュージシャンでは、モータウン・サウンドを支えた異能のベーシスト、ジェイムズ・ジェイマソンや、元ストーンズのビル・ワイマン、元祖メガネ男子バディ・ホリーなんかがそうです。ファッション界ではイヴ・サンローランなんかも同級生。

もちろん、ここ日本が生んだスターも各界の大物ばかりです。

立川談志、長嶋茂雄、北島三郎、亀井静香といった表裏世界の大物を筆頭に、芸術界からは横尾忠則、長岡秀星(EW&Fのジャケットイラストレーターね)、漫画界では楳図かずおにさいとうたかを、声優界では大山のぶ代に野沢雅子、お笑い界では内海好江、毒蝮三太夫、家政婦会から市原悦子これ、皆さん同じ年の生まれなんですよ。

国は違えど、同じ時代に生まれて、同じ時代の空気を吸ってきたツワモノたち。

彼らがライバル同士だと想像すると、何だかワクワクしませんか?

さぁ、皆さんも「勝手にライバル」を探してみましょう!

私のライバルはカーク・フランクリンとイ・ビョンホンです。



(中野カメオ)

6/20/2012

ブルvsフレンチ・ブル


『名盤レコードに素敵な邦題を』、今回のお題は難しかったのか、皆さんが忙しい時期なのか、エントリーが少なくてお寒い限り・・・・。まだまだ募集していますので、どうぞガツンと書いちゃって下さい。お待ちしています!

ところで、90年代終わり頃からNHKで放映されていた『アリーmy Love』が、BS・DLifeで再放送されています。平日の朝10時からって、なかなか毎日は見られる番組では無いけれど、「おおー」ってゲストが多くて、そんな日は出来れば見逃したくない。
例えば、多分6月26日にはバリー・ホワイトが、7月3、4日あたりにはアル・グリーンが本人役で登場するはず。その他にも、ティナ・ターナーグロリア・ゲイナーアナスタシアスティングマライア・キャリーなどなど。
演技したり、ミュージシャン本人として出て来たり、アリーの妄想の中で歌ったりと人によって出方は様々ですが、そんな中、教会のゴスペルシンガーとして登場したジェニファー・ホリデーには心底たまげました。
激情のトンデモ・ゴスペルシーンにやられてジェニファー・ホリデーって誰?って調べたら、舞台版「ドリーム・ガールズ」でエフィ・ホワイト役のオリジナル・キャストの人だそうな。


「ドリーム・ガールズ」のエフィといえば、映画で演じたジェニファー・ハドソンの「And I am telling you I'm not going」を歌うシーンががあまりにも印象的。
取り残されたステージで「一人にしないで~~」と振り絞るように切々と訴える姿に、アカデミー賞も当然と思ったものです。


さて、ジェニファー・ハドソンといえば、スター誕生のアメリカ版とも言われるオーディション番組、ご存知『アメリカン・アイドル』のシーズン3(2004年)のファイナリストの一人。アメリカン・アイドルも回を重ね審査員を変えて今年でシーズン11となり、それも先頃優勝者が決まったばかり。
私が応援していたジェシカ・サンチェスは残念ながら準優勝に終わってしまったけれど、まだ16歳で華奢な彼女の歌う姿と歌声には、シーズン中何度もシビレさせてもらいました。いよいよ後は優勝者の発表を待つばかり、戦い全て終わったフィナーレの日に見せたジェシカのステージときたらもう・・・。

デュエットのゲストはジェニファー・ホリデー。曲は『And I am telling you I'm not going』
役者揃い過ぎ。


ここまで書いて来たのも、全てこの動画を紹介したかったからに他なりません。
どうぞ、ご堪能下さい。きっと気に入って頂けると思います。







引き続き、『名盤レコードに素敵な邦題を』考えて下さいね。お待ちしております。



●●● 轟美津子



6/11/2012

第2回・名盤レコードに素敵な邦題を!


半月後に迫ったキャンディ・ステイトンの来日。ビルボード東京に行く度に、来日リクエストをみんなで書きまくった甲斐がありました!当日はこんな曲も歌ってくれるかしら…。



Young Hearts Run Freeです。
この曲にブルース婦人部・乃美枝ちゃんが勝手に邦題を付けました。
「張り裂けセンセーション」
映像は1999年再録時のPVですが、まさに張り裂け!これぞセンセーション!

このジャケ写!くーーっ!!
1970年代に出た日本盤には既に「ハートのときめき」とのタイトルがついていますが、ブルース婦人部的には「張り裂けセンセーション」以外に考えられません。


さて、1月~2月にかけて皆様にもご参加いただいた「名盤レコードに素敵な邦題を!」は思いの外の大好評。調子にのって第二回です。
まだまだ、自分でもナイスな邦題をつけてみた~い熱は冷めていませんよね。
では……

以下の曲に素敵な邦題をつけよ!
(仮に、日本でシングルカットされる事になったとして、です。)

1 Rock Steady / Aretha Franklin
   
2 You Don't Miss Your Water / William Bell
   
3 Things That I Used To Do / Guitar Slim
   
4 Bring It On Home To Me / Sam Cooke
  
5 I Want To Be Your Man / Roger  



Rock Steady  /  Aretha Franklin 
Aretha1971年の大ヒット曲。
映像では最近の半分くらいの彼女の姿が観られます。心なしか、歌い方も軽やか~。でも、Aretha に Rock Steady!なんて言われたら、男性は相当な覚悟がいるんだろうなー、なんて勝手に想像しますけど。


歌詞はこちら Rock SteadyLyricks



You Don't Miss Your Water  /  William Bell
William Bell、覚悟が足りなかったクチか。I was a playboyなんてキッパリ言い切ってますが、逃げられちゃったんじゃあ元も子もない。後悔しても後の祭り。
それにしても、ブルースやソウルってこんなんばっか。





歌詞はこちら You Don't Miss Your WaterLyricks




Things That I Used to do / Guitar Slim  
Guitar Slimもですか。こちらは原因は分からないけれど、モテモテ伝説の人なので、推して知るべしかな。



歌詞はこちらThings That I Used To DoLyricks

*ところでブルース婦人部では日本全国にいるであろう「スリム」さんを探しています。
素敵な邦題と合わせて、「スリム」さん情報もお待ちしています!


Bring  It On Home To Me  /  Sam Cooke
この曲に合わせて、何度YeahYeahYeahと歌ったことでしょう。Yeahも良いけど、この歌詞の「I'll give you jewellery, money too」ってところ、いいですねぇ~。




歌詞はこちら  Bring It On Home To MeLyricks



I Want To Be Your Man  / Zapp &  Roger
トークボックスの声って、どうして夏っぽく感じるんでしょう。そんなこと、ない?
今回もナイス邦題!選定委員を引き受けてくれた翻訳家・新井崇嗣さんの最近のお仕事本「エレクトロ・ヴォイス変声楽器ヴォコーダー/トークボックスの文化史(P-VineBooks)デイヴ・トンプキンズ著」でも、もちろん大々的にフィーチャーされているZappの、これまた大々的なヒットナンバーです。


歌詞はこちら I Want To Be Your ManLyricks





さて、いかがでしょう?素敵な邦題が浮かんできましたか?
皆様からの投稿はブルース婦人部と翻訳家・新井崇嗣さんで協議の上、ナイス邦題を勝手に決めたいと思います。「張り裂けセンセーション」以上の力作をお待ちしています。どうぞふるって御参加を!



*この企画は『日本盤オールディズ・シングル図鑑 19541964という本に大きく影響を受けています。
また、第一回はこちらをご覧下さい。「名盤レコードに素敵な邦題を!」

ああ、なんて楽しき素晴らしき邦題の世界。




●●今週の当番・・・轟美津子



6/04/2012

DEVIL'S MUSIC



ブルースが好きなストーンズが好き。その2。


イギリスの音楽誌「UNCUT」2002年12月号はキース・リチャーズの特集でした。

















ロングインタビューとたくさんのカッコいい写真、そして付録はなんと、「KEITH RICHARD’S PERSONAL COMPILATION OF BLUES, SOUL AND R&B CLASSICS」、キースが選曲したコンピレーションCDです。

キースが選曲ですよ、みなさん!
これはたいへんです。

「子供には聞かせないほうがいいぜ。俺みたいになっちまうからな。ははははは」

とおっしゃるその名も「THE DEVIL'S MUSIC」。


気になるその内容は・・・

THE DEVIL'S MUSIC
1. Amos Milburn - Down The Road Apiece
2. Jackie Brenston - Rocket
3. Robert Johnson - Preachin' Blues (Up Jumped The Devil)
4. Muddy Waters - Rollin' Stone
5. Jimmy Rogers - Goin' Away Baby
6. Leadbelly - The Midnight Special
7. Clarence 'Gatemouth' Brown - Okie Dokie Stomp
8. Clifton Chenier - Ay-Te Te Fee
9. Professor Longhair & His Shuffling Hungarians - Mardi Gras In New Orleans
10. Little Richard - Good Golly Miss Molly
11. Billie Holiday - He's Funny That Way
12. John Lee Hooker - I'm In The Mood
13. Bob Marley & The Wailers - Jah Is Mighty
14. Hank Williams - You Win Again
15. Ike & Tina Turner - I Can't Believe What You Say
16. BB King - Everyday I Have The Blues
17. T-Bone Walker - (They Call It) Stormy Monday
18. Howlin' Wolf - Moanin' At Midnight
19. Blind Willie McTell - Talkin' To Your Mama
20. Clarence 'Bon Ton' Garlow - Bon Ton Roulet
21. Aaron Neville - Tell It Like It Is
22. Albert King - That's What The Blues Is All About
23. Irma Thomas - Ruler Of My Heart
24. Otis Redding - Pain In My Heart
25. Booker T & The MGs - Baby, Scratch My Back
26. Al Green - Take Me To The River

どうです、この選曲!?

割とふつー? わかりやすすぎ?

いーえ、そんなことはありませんっ!
なんと素晴らしくヴァラエティに富んだコンピレーションではありませんか。

ハンク・ウィリアムズ、ボブ・マーリー、ビリー・ホリディが入っているところなど、いかにもキースですよね。
いかにもすぎて、誰かが代わりに選んだんじゃないかという疑念がふと脳裏をよぎりますがそんな勘繰りはいけません。(しかしイギリス人はなぜああもカントリーが好きなのか?)

Ruler Of My Heart- Pain In My Heartを続けて入れるという心憎い演出をしたかと思えばプロフェッサー・ロングヘアとビリー・ホリディの間にリトル・リチャードを入れるという、オリジナリティ溢れる曲順もキースだからこそです。

注目すべきはニューオリンズ、ルイジアナものがけっこう多い点ですね。
キースはああ見えて昔からニューオリンズ音楽のファンだと公言しているんです。
なかなか良い趣味をしています。

Tell It Like It Is!
キースもアーロン様の歌声にシビレてしまったのですね。


それもそのはず、この度なんとキースがアーロンのアルバムをプロデュースしたというではありませんか。
しかもドゥーワップアルバム。

アーロン、キース、ドゥーワップ。なかなかオツな組み合わせです。
いったいどんなアルバムなんでしょうか。









Forbs記事より
みなさん今年はストーンズの新しいアルバムがリリースされると思っていたでしょう。
Nope. キース・リチャーズはブルーノートレコードから発売されるアーロン・ネヴィルのドゥーワップアルバムの製作を終えたばかりなのです。
ドン・ウォズ(なんと今年の1月からブルーノートの社長さんになっていたんですね)は「スイート・トーンのニューオリンズ・テナー、アーロン・ネヴィルとのアルバム製作で、キースはとても素晴らしい時間を過ごした。」と言っています。
しかしコック長アーロンがキースとドンのためにどのような料理をしたかに関してはいまだ明らかにされていません。(拙訳・抜粋)


なーんだ、結局まだわからないってことですね。
もう少し楽しみに待ちましょう。


というわけで、子供に聞かせないほうがいいぜ、といいながら子供に聞かせたがっているとも思える、優しいキースの優しいコンピレーションをご紹介しました。
ワンダフル!

今週の当番 No.3 bunyayurisses